2015年 02月 14日
金管楽器のマウスピースが、楽器に差さる部分。 マウスピースを受ける部分ということで「レシーバー」と呼ばれますが、このレシーバー部は今も昔も様々な研究や工夫がされてきました。 しかし、このレシーバー部とマウスピースのシャンク部は、規格が統一されておらず、楽器とマウスピースのメーカーが異なると相性が合わないケースがあります。 本来でしたら、楽器と同じメーカーのマウスピースを選ぶべきなのでしょうが、マウスピースは奏者への相性問題の大きい部分です。楽器を変えてもマウスピースは変えられない。このようなことはよくあるお話です。 私も技術者として、今までに色々なお話を受け、その都度もっとも良い方法で処置が出来るようにしてまいりました。 ここの問題は製造時のバラつきや、設計思想の違い、汚れの蓄積、各楽器の構造上の問題などなど、様々な要素が問題を複雑にしています。 私自身、以前よりレシーバー部には興味があり、色々な検証実験を行ってきました。 今後も少しずつ紐解いて行きたいと思います。 今回はフリューゲルホルンのマウスパイプを作ってみた、というお話です。 フリューゲルホルンのマウスパイプはストレートが基本ですので、テーパー管と違い制作が簡単です。 単純な構造故に、レシーバーの材質や形状にどのような影響があるのかがわかりやすいのでは無いかと考えたわけです。 実験機は手持ちのジュピター製フリューゲルホルンです。 下から、純正品、ブロンズ製レシーバー、ブラス製レシーバーです。パイプはいずれもイエローブラスです。 ![]() ![]() また、レシーバーの材質の違いで性能に変化があるのかどうか。それをわかりやすくするために、全く同じ形状に削り出しました。 つづく 石井管楽器 #
by ishiikangakki
| 2015-02-14 08:04
| 金管楽器
2015年 02月 12日
マウスピースの外形形状はマウスピースの性能に影響します。 では、リムチェンジ式マウスピースで、スクリューリムの形状や材質によってマウスピースの性能に影響があるのか?
![]() 上の写真の左から、ブロンズ製バック風形状、ブラス製バロック風、ヘビータイプ、エキストラヘビータイプ。 ![]()
室内で第三者に聞いてもらった結果、大きな違いはありませんでした。 私の吹いた感じでは、それぞれに大きな違いがありました。 あくまで、住居の室内で、試奏者が私だけという状況です。 今後、このアイディアの質を高めるには、やはりマウスピース作りと同じく時間と気合と熱意が必要です。
#
by ishiikangakki
| 2015-02-12 18:39
| 金管楽器
2015年 01月 30日
私は以前にホルンのマウスピースを6本作りました。右端が1作目で左端が6作目です。 ![]() 何故作ったのか。それは、果たして自分に金管楽器のマウスピースを作ることが出来るのか?という挑戦であり、また自己の技術力の検証とも言えるかもしれません。 たった6本しか作りませんでしたが、おかげで色々なことがわかりました。 ちなみに、マウスピースの製造に関しては全くの素人で、以前に先輩方々からお伺いした話を手繰り寄せ、私の工作知識と今までの管楽器修理調整のノウハウをミックスさせて、事実上「独学」です。
2・キリコを頭から被る。 3・キリコが熱い 4・慣れればそれほど時間が掛からない 5・段取りが重要 6・治具、工具はすべて自作または加工 7・作ることよりも「何を作るか」が大事 これら以外にも小さいことも含めて色々な気づきがありました。
しかし、自分にマウスピースを作ることが出来る。それが証明されたのはわかったとして、では何を作るのか。どんな寸法で、どんな機能を持つものを作るのか。設計は。 コピーを作るとすれば、誤差を考えても数本もしくは数十本作れば、コピー出来ます。 ホルンのマウスピースを作れた。この事実でおそらく私は準備さえすればトランペットからチューバまで、金管のマウスピースならどんなものでも作ることが出来るはずです。 でも、何を作るのかが明確でなければ、物を作ることは出来ないのです。
追記1 当分ホルンのマウスピースを作る予定はありません。 フリューゲルホルンのマウスピースです。 自分としても、欲しいと思う音やアイディアがありますので、時間と気合と熱意が発生すれば……いつのことになるか……。 #
by ishiikangakki
| 2015-01-30 22:50
| 金管楽器
2015年 01月 15日
サックスの演奏に必要不可欠な物のひとつにストラップがあります。 20年前には種類も限られていたように記憶していますが、今では輸入品から個人製作品まで様々な種類のものが販売されています。 クラリネットやフルートは原則的にストラップを使いませんが、サックスやファゴットなどには使われます。楽器が大きくて重いので、安定して保持するための補助具がストラップなのです。 補助具とは言え、楽器の重さを引き受けるものですから強度が要求され、掛ける体の部位には圧力が掛かります。アンブシュアにも影響がありますし、演奏者の体格によってベストポジションとなる長さが変わりますので、長さ調整が細かく出来るかなどの機能的な要素も重要です。また楽器全体が振動している楽器を支えている紐やベルトですので、楽器の響きにも影響があると考えられます。 このように、サックスのストラップは楽器や演奏者に様々な影響のある用具ですので、現在多種多様なラインナップがされているのは、演奏者にとって選択肢の増えることに繋がり、より自分に合ったコンディションで演奏が出来ることに繋がっているのではないでしょうか。 私はサックス以外でもそうですが、修理調整の前後におおよその場合試奏をします。 その時にはマウスピースもストラップも自分の物を使用します。 私が使用しているストラップはこれです。 ![]() 自作です。 ベルト屋さんから譲って頂いた牛革の裏に羊毛100%のフェルトを貼り付け。真鍮にニッケルメッキのはと目。手芸用のポリエステル製のコードに、冬物コートに使われるボタン。そして、フックはスターリングシルバー製の自作フックにビニールチューブを被せてあります。コードが通るフックのリングはサックスのストラップリングと同じ位置になるように内側に曲げてあります。 10年前に作ったもので、自分がストラップを作るとどんなものが出来るのかを試した見たものでした。 10年経った今、作るのか? 実はちょっと興味のある素材があるので、それで作ったらどのような特性が出るのか。 そのうち試しに作ってみようと思います。 これは古いストラップです。 ![]() 帯や紐の長さは演奏者の体格によっても、楽器や着衣によってもポジションが変わってきますから、現在細かく選定が出来るメーカーを選ぶのも選択肢の一つではないでしょうか。 このようなフックが金属で、ビニールチューブなどでカバーをされていないものは、本体のストラップリングを削ってしまい、最悪リングが切れる場合がありますので注意が必要です。 ![]() では、金属は良くないのか?と言えば悪いことばかりではなく、メリットもありますのでフックの選択についても検討頂きたい思います。 ちなみに、リングを削らない素材であるプラスティックのフックは重い楽器の場合割れてしまい、楽器が落下してしまう場合があります。こちらも注意点です。 #
by ishiikangakki
| 2015-01-15 16:23
| サックス
2015年 01月 09日
石井管楽器です。 2つ目のブログになります。 なぜ、ブログを2つも作ったか。 それは、タイトルによって書きたいことが制限されてしまうからです。 もしかしたら今後もブログが3つ4つと増えるかも知れません(笑) 1つ目のブログは「秘密」です。 石井管楽器のこんなことやあんなこと、「秘密」を皆様に知って頂きたいと思って書いているブログです。 2つ目のブログは「放課後」 石井管楽器の本業務の「直す」からちょっとだけ外れて、クラブ活動的な内容を書きたいという趣旨のブログです。 ですので、私の管楽器に関する趣味の話、こんなものを自分用に作ってみました、こんな直し方を検証してみました、こんな実験をしてみました、こんなアイディアを形にしてみました、などなど「遊び」の要素が含まれています。 気楽にご覧頂ければ幸いです。 現在準備中のお話の写真だけ少しご覧ください。 ![]() ![]() ![]() ![]() 石井管楽器 #
by ishiikangakki
| 2015-01-09 19:38
| 総合
|
アバウト
カテゴリ
以前の記事
2018年 05月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||