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2015年 07月 25日

ヘラ

管楽器の修理道具のなかで、指先の変わりになっているものがあります。

ヘラです。
ヘラ_a0335229_18231348.jpg

金属の棒から削り出したり、市販のコーキングヘラを改造して作ります。

使っているうちに、形が徐々に変わっていきます。
それは必要に応じて手を加えるからです。

写真のヘラは一部ですが、この中でも、頻繁に使うものは数本です。

しかし、こうヘラを見ていると、イメージが湧き、新しいヘラを作りたくなるのです。

こういう形だと力が入りやすい。この方が作業性が良い。もっと分厚いヘラから改造するといいのでは。

などなど、構想を練るのも楽しいです。
石井管楽器



# by ishiikangakki | 2015-07-25 18:24 | 道具
2015年 07月 17日

修理工具

楽器を修理するための専用工具は、国内外から発売されています。

私は、管楽器を修理するにあたり、道具には余り拘らないほうだと思います。

しかし、工具が道具レベルまでに使いこなさなければ、質の高い修理は出来ません。
如何に道具を使いこなすか、ここには高い拘りがあります。

その為に、工具については常にアンテナを張り巡らしています。

私の場合は、管楽器修理専用工具についても情報収集に余念はありませんが、それ以外の工具の情報も積極的に収集しています。

私が駆け出しの頃に購入した本です。
修理工具_a0335229_14481608.jpg
彫金関係に関する本は、金属工芸の基礎を学ぶのに最適な教材でした。

管楽器修理に応用の出来る多方面の技術はまだまだ潜在で多く眠っていると私は考えています。

石井管楽器

# by ishiikangakki | 2015-07-17 14:57 | 総合
2015年 07月 11日

バーナー

管楽器の修理調整でこれが無いと、修理が出来ない箇所が多くあります。

バーナーです。

部品に熱を加えて取り外したり、調整時に熱を加えるなど、大活躍します。

25年仕事をしているうちに、気づいたらこんな数になっていました。
バーナー_a0335229_18410857.jpg

このうち2本は現在使用できません。

大きいバーナーは開業を機に新調しました。

扱いが粗いというわけではないと思うのですが、気づいたら着火しなくなります。

そろそろ2本を修理に出さなければと思う今日この頃です。

石井管楽器

# by ishiikangakki | 2015-07-11 18:50
2015年 07月 04日

接着剤

以前に管楽器には部品の固定のためにネジが多く使われている、という記事を書きました。
ネジ
管楽器の部品の固定でもう一つ忘れてはならないものがあります。

それは接着剤です。

管楽器には箇所によって様々な接着剤が使い分けられています。

また、接着剤には多くの種類があり、その中から適したものが選定されています。

たとえば、木管楽器の穴を塞ぐためのタンポはキーに固定されているのですが、ここに接着剤が使用されています。
タンポは音孔をきれいに塞ぐために位置が調整されます。
その位置調整を容易にするため熱によって溶け、冷えると固まる接着剤が使われます。

金管楽器の管と管の接合には半田が使用されています。

クラリネットの継ぎ手部分に巻いてあるコルクは一般的にゴム系の接着剤が使われます。コルクと管体の両方に塗り、生乾き状態で貼り付け圧力をかけます(コンタクト接着といいます)

石井管楽器では、その楽器に使用されている同じものを使うことを基本としていますが、私の判断で優れている別の種類の接着剤を使用する場合があります。

接着剤は管楽器の広い面積に使用されるため、音や響きへの影響があります。

くっつけばいい、外れなければいい。
というだけでなく、「楽器」としてどうなのか、という要素も考慮にいれ選定されなければなりません。

駆け出しの頃、この本を買い、穴が開くくらい読み、興味のある接着剤メーカーに片っ端から電話をかけ質問しました。
(やはり、まだインターネットが無い頃でした)

接着剤_a0335229_09332700.jpg


ある接着剤メーカーの担当者からあることを教えていただきました。

「接着する表面には、活性と非活性がある」

どういう事か。
ここは、あえて書かないでおきます。
石井管楽器









# by ishiikangakki | 2015-07-04 10:02
2015年 06月 27日

メッキと単位

メッキと単位_a0335229_10444588.jpg
長さの単位でセンチメートルは最も一般的に使われているものではないでしょうか。
私も、自分の身長を言うのに172センチと言いますし、定規もcm刻みが多いです。

私は仕事上ではなるべくセンチを使わないようにしています。
それは、なぜかと言うとセンチメートル以外で機械要素に使われる単位は1000刻みが多いからです。
ですから、1000で区切ったほうが、クッションを入れずにスッと頭に寸法が入るのです。

メートル法というくらいですから、ここではメートルを基準に考えます。

1メートルの1000分の1は1ミリメートル。
1ミリメートルの1000分の1は1ミクロン(マイクロメートル)
1ミクロン(マイクロメートル)の1000分の1ナノメートル。

逆に1mの1000倍は1キロメートル。

センチメートルは100分の1メートルです。
最も馴染みのある単位ですが、特別な単位だと考えると、私は楽です。

メッキの依頼などを受けますと、メッキの膜厚について質問を受けることがあります。

メッキの膜厚はミクロンの世界です。

3ミクロンはmmに換算すれば、0.003ミリメートルです。
30ミクロンはmmに換算すると0.03ミリメートル。
300ミクロン→0.3ミリメートル。
3000ミクロン→3ミリメートル。
0.3ミクロン→0.0003ミリメートル。


メッキは、表面に金属の薄い膜をコートする技術なのですが、その膜の厚さはおおよそ調整出来ます。
また、メッキは通常「多層メッキ」で行われます。

金メッキの掛かった楽器の音が好きなのだが、吹奏感がきつくなるのは嫌だ。
楽器が軽いので抵抗感を為にメッキを厚くかけたい。

など、あるのではないでしょうか。

管楽器に詳しいリペアマンが、お客様のご要望やイメージにあったメッキをご提案致します。

詳しくは、直接お問い合わせください。
石井管楽器

余談・
メッキは日本語です。正しくはひらがなで「めっき」と書くようです。
漢字で書くと鍍金(「ときん」とも言う)。「滅金」という奈良時代の言葉が由来です。
英語では「Plating」プレーティングです。
楽器の品番の末尾に付くことがある「GP・SP・NP」はそれぞれ「ゴールドプレート・シルバー-プレート・ニッケルプレート」の略です。

ちなみに、電気めっきは「電鍍(でんと・電気鍍金の略称)」とも言うようです。












# by ishiikangakki | 2015-06-27 11:21 | メッキ