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2016年 06月 17日

金管楽器の反響板

前回、以下のような記事を書きました。
フレンチホルンの反響板の試作

実際に、使用していただいた結果、モニター性の向上や野外での音の伝達性改善という効果がありました。
一方、反響板と楽器の距離が近い場合の調整や、板材によっての効果の変化も試すため、形状と材質の違う試作品を作成しました。

ゼブラウッド突板合板(ハードタイプ)

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シナ共芯合板多孔タイプ
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実際にどのような効果があるのか、少しずつ報告を頂いております。このような試作試験によって、最善とする材料や形状が絞られているのではないかと考えています。

また、反響板試作について、フェイスブックの石井管楽器公式ページやブログにて書いているわけですが、ご覧頂いている方からの反響も少しずつ頂いております。


その中でホルン以外の金管楽器(ベルが前に向いている楽器)の方から使ってみたいというお話を頂きました。
音響の考慮がなされていない場所でホルンとアンサンブルをするとき、ホルンの聞こえ方に特徴があるそうで、そのような反響板によって、良い効果があればとのことです。






そして、ホルン以外の金管楽器のモニター性の改善も出来ないかという提案がありました。

それで、早速作ってみました。
音響の考慮がなされていない場所での立奏または座奏でのアンサンブル。
その場合の、トランペットやトロンボーンのモニター性の調整が出来る反響調整板。
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ホルン用反響板は譜面台に取り付けるタイプですが、トランペットトロンボーン用は自立式です。

距離や置き方などで微調整が出来ますが、さらに調整度合いを広げる為に、材料と形状に工夫をしています。
材料は写真左がハードタイプ(ブビンガ突板合板)写真右がソフトタイプ(杉突板合板)
形状はリバーシブルとして、反対側に穴を開けています。ひっくり返すことで変化を狙っています。

もちろん、持ち運びを考慮したA4ファイルサイズです。
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このトランペットとトロンボーン用の反響板2組と、ホルン用反響板1組をまとめて、ある方々に実際に使って頂く予定です。

どのような結果となりますでしょうか。
石井管楽器


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# by ishiikangakki | 2016-06-17 17:01
2016年 05月 09日

マウスピースのめっき掛け直し

表面が傷みに傷んだ、金管楽器のマウスピースです。

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ヴィンセントバック製の24AW、チューバのマウスピースです。

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ザラザラボロボロです。

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古いメッキを薬品で剥がしました。(剥がさないで上掛けをするケースもあります)
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傷を削り取り、
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磨き直すと、
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新品のようになります。
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マウスピースのめっき掛け直しは、めっき前の下地処理が重要です。
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研磨度合いは8割程度です。めっきも通常の膜厚ですので、傷や表面荒れがそれなりに残ります。
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めっきの掛け直しはそれなりの費用が掛かり、場合によっては掛け直す前との違和感が大きく感じることがあります。

石井管楽器では、お客様の要望を伺い、めっき剥離の有無、研磨の度合いや、めっきの掛け具合、めっき後の研磨有無、リム形状のコピーなどの手法を用い、より満足頂けるよう最大限の配慮を致します。

金管マウスピースのめっき掛け直しについて、細かく体系付けたプラン、料金表を作りたいと思っています。

今しばらくお待ちください。

石井管楽器



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# by ishiikangakki | 2016-05-09 15:43 | 金管楽器
2016年 04月 27日

フレンチホルンの反響板の試作

フレンチホルンは朝顔(ベル)が後ろを向いています。

それゆえにこの楽器ならではの音色があるのです。

演奏の際、聴衆は前にいるわけですから、聴衆はホルンのベルから出る直の音を聞いているのではありません。

ベルから出る音が、床や壁などに当たりその反射で聴衆に届きます。

これが演奏場所によっては、反射が儘ならない場合があります。

簡単に言ってしまえば、野外や音響が考えられていない場所だと、音が後ろばかりに行ってしまい前に届きにくい場合がある、ということです。

これを解消するために、ベルの後ろに設置して使用する音を跳ね返す板を、ご自身で自作する方もいらっしゃるようです。
また、製品としてアクリル製で大きい「設備」のようなものも販売されています(高価です)

ある吹奏楽団のホルンセクションの方々との会話のなかで「このようなものが安くで手に入れば」というご意見があり、あるアイディアがひらめいた私は、早速試作をしてみることにしてみました。

コンセプトとして考えたのは以下の通りです。
1・スタンドは譜面台を利用
2・持ち運びを考慮し折り畳み式にする。
3・折り畳み後のサイズは一般的な楽譜収納ファイルと同じA4サイズ。

まず、初めにスタンド利用のイメージを描くためにこんなことをしてみました。

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それから、構想を練りに練って、材料を選定し、設計ののちに出来上がった試作品がこちらです。
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使用イメージです。
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この撮影ではウィットナー社の定番譜面台を使用しています。
他3社の製品で対応できるかも試しました。

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折り畳むとA4サイズです。

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実際に試作をしてみて、コストや製造過程でクリアしなければならない問題がいくつかありました。

この試作品を前述のホルンセクションの皆様で、使って試して頂けることになりました。

今後どうなりますでしょうか。

今回、使用した素材は、石井管楽器でも販売しております、新木場「あいはらの木」さんのミニカホン手作りキットの「打面」にも使われている、突板合板という板材です。(土橋さん、ご協力ありがとうございました!)

石井管楽器


















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# by ishiikangakki | 2016-04-27 12:56 | ものづくり
2016年 01月 24日

抜差調整

トランペットでは1番と3番の抜差管を演奏中に操作をして音程補正をします。

例えば、1番と3番のピストンを押して出す「レ(実音でC)」の音が高めなのは、トランペットを演奏される方でしたらほとんどの方がご存じのことと思います。

この音を出す際に左手薬指で3番抜差を抜いて、管を長くすることで音程を補正します。

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このように小指を添える持ち方もあります。

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しかし、楽器によっては、この抜差部が固く、薬指で操作するにはスムーズではない場合があります。グリスではなく「チューニングスライドオイル」という、これらの抜差しをスムーズに動作するためのオイルがありますが、それを使用しても固い楽器は固いのです。

この部分を修理調整によって軽くすることが可能です。

意外とその事実を知らない方は(私はリペアマンになるまで知りませんでした)現在でも多いのではないでしょうか。
私は、その事実を知ったときには、目から鱗が落ちるようでした。

抜差調整といいまして、全体の管の位置関係を考慮しながら、適切な位置に補正することで、抜差管の動きをスムーズにする調整です。

このような調整を施すと、指の力が少しで済むため、上記の音程補正の操作が楽になります。

抜差管の固さや作動具合は、最終的には演奏者の好みがあります。
しかし、軽く調整が出来るという事実を知らずに「固いのは当然」と思われているのは、勿体ないと私は思います。

抜差し管に動作調整について、ご興味のある方は是非ご相談を頂ければと思います。

また、同様にチューバも演奏中に音程補正の為に抜差管を手で抜差しする場合があります。
こちらも調整によって軽くすることが可能です。


余談ですが、この記事作成の為のサンプル楽器には第一抜差のサムフック(トリガー)が元々ついていません。

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このような楽器に後付けでサムフックを取り付けることも可能です。

石井管楽器









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# by ishiikangakki | 2016-01-24 16:57 | 金管楽器
2015年 12月 31日

大晦日

石井管楽器の放課後をご覧の皆様。

2015年もあとわずかです。如何お過ごしでしょうか。

今年の後半は「秘密ブログ」もそうなのですが、更新頻度が落ちてしまいました。

来年はブログの更新体制を見直し、「放課後ブログ」だからこそ出来る「斜めの角度からの管楽器修理」の情報を発信し続けたいと思います。


今年一年お世話になりました。

来年もよろしくお願いいたします。

皆様良いお年をお迎えください。

なお、石井管楽器、2016年は1月5日火曜日より営業致します。

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石井管楽器
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# by ishiikangakki | 2015-12-31 07:21 | 総合