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2015年 10月 26日

アマドキーのばね

前回、「秘密ブログ」でこのような記事を書きまして、その中で少し触れたアマドキーのばねについてです。

アマドキーピストンパーツのワンオフ製作依頼

アマドキーのピストンを動かす為に小さいステンレス製のばねが入っています。

とても小さな部品です。ピストンよりも小さい部品です。

しかし、ばねは弾性がありますから、楽器の振動をひろって共振することも考えられます。
また、材質で特性が変わるピストンを、ばねの弾性力によって閉じる方向に働いていますから、ばねの素材を変更したり、処理をすることで、音や吹奏感への影響があるかも知れません。

そこから、私はこのばねにメッキを施し、メッキの種類を変えることで、機能性も持たせることが出来ないだろうかと考えました。

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左から、ゴールドプレート、ピンクゴールドプレート、そしてノーマルです。

実際にトランペットで試してみたところ、吹奏感と音(吹く側と聞く側の両方で)に変化がありました。

私の個人的な感想を簡単に(乱暴にかもしれませんが)申し上げますと、
ピンクゴールド→ダーク、柔らかめ、濃厚、しっとり。
ゴールド→ブライト、ピンクよりは硬め、艶やか、さっぱり。
抵抗としてはどちらも一定程度増すと思われます。
ちなみにテスト楽器はヤマハのシルキータイプ、ライトウエイトMLボアです。

部品の交換による調整すべてにおいて言えることですが、「違い」については様々な条件によって異なります。
聞く側、吹く側の個人差。
演奏場所の違い。
楽器の違い。
部品(マウスピースを含む楽器を構成する部品のすべて)の組み合わせバランス。
などなど。

様々な条件を踏まえ、多くの選択肢の中から選んで頂ければと思います。

石井管楽器では、このアマドキーのメッキ加工を施したばねを在庫しております。

ご興味のある方はお問い合わせください。
ご自身で交換の出来る方には、小さい部品ですから定型郵便での発送もお受けします。
石井管楽器




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by ishiikangakki | 2015-10-26 16:58 | 金管楽器
2015年 10月 16日

トランペットのボタン

トランペットの、指で押してピストンを動かす部分を押金(バルブボタン、フィンガーボタン等)呼びます。ここには、押金貝(バルブボタンパール、フィンガーボタンパール等)が埋め込まれているものがあります。
このパールは樹脂製の物もありますが、伝統的に天然貝が使用されています。

何故、貝が使用されているかというと、装飾的意味合いと、滑り止め効果が主な理由のようです。

オプショナルパーツとして、準宝石をあしらったボタンや、貝以外の素材を埋め込む方もいらっしゃいます。

ピストンを操作するためのボタンとは言え、吹奏感やタッチ感、音色等に影響のある部品ということで、トランペットの構成部品のなかで注目されているものの一つだと思います。

私も、この部品に関しては、押金自体の含めて埋め込み素材をとっかえひっかえ試し、研究しました。
また、素材を押金に固定する方法でも大きく変わります。
素材を固定する方法としては大きく2つです。
1・接着剤による固定
2・かしめる(素材をはめ込み、押金の金属で包み込むように固定する。

固定方法がカシメか接着剤かでも吹奏感や音色に影響がありますが、接着剤の種類の違いも影響があります。

石井管楽器では、現在ヤマハ社製のトランペットの押金の修理用に貝を在庫しています。

貝は2種類、オーソドックスな白蝶貝とダークなイメージの黒蝶貝です。
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古い貝を削り取り、
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お好みの吹奏感にあわせて(タイトorソフトの2種類です)接着剤を選定し、交換します。

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貝の表面は平面に削り、鏡面のように艶やかに磨きをかけています。
光の加減によって変わる色彩は見ていても飽きがきません。
手触りもよく、貝を交換するだけで、気持ちがリフレッシュします。
(天然貝の為、模様がそれぞれ異なります。模様をお選びすることは出来ません)

ヤマハ以外のボタンの貝を交換したい方につきましても、条件によっては可能な場合がございますのでご相談ください。

石井管楽器



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by ishiikangakki | 2015-10-16 18:59 | 金管楽器
2015年 10月 02日

以前にブログで「玉出しとハネ出し」という記事を書きました。

管楽器の凹みを修理する道具に「玉」というものがあります。

凹みは主に金属の棒を管内に差し込んで修正をするのですが、曲管部では金属の棒が届かず修正が出来ない場合があります。

前述のブログ記事でも書いていますが、私は今まで「玉」を自作してきました。それは、曲管部のアールに合わせて削り出した方がより綺麗な仕上がりになるという考えがあったからです。

しかし、曲管部の凹み依頼が増えると、玉の自作はどうしても時間的な制限が発生します。

そこで、色々調べた結果、0.1ミリ径刻みという玉を製作される方がいらっしゃると聞き、10ミリ径から20ミリ径の101個を注文しました。

そして、今日、その工具を購入してきました。


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早速、テストとして、YBB103のマウスパイプの凹みを出して見ました。
凹出し前。
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凹出し後(9割方)。

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とても良い工具で、大幅な時間短縮が望めます。
0.1ミリ刻みというのが、かゆいところに手が届きます。

しかし、万能設計の為、厳密にアールに合わない部分があります。

結論として私は、玉の自作からは解放されないようです。

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左が今回の玉。右が私が自作した玉です。

しかし、この玉を使って、ある程度の内径がわかり、その寸法と、アールから、最適な形状の玉を、仕上げ用として自作すれば、時間短縮、仕上がりのクオリティの維持が見込めます。

清水の舞台から飛び降りる程の額の出資でした。

しかし、この出資は絶対にムダではないと信じています。

余談
この工具にはとても素朴なケースに収納されていました。

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鍵前もとても素朴でしたので、しゃれで南京錠をつけて記念撮影しました。
この工具が盗まれるということはまずないと思いますので、南京錠は記念撮影時のみにしておきます。

石井管楽器










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by ishiikangakki | 2015-10-02 19:26 | 道具