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2015年 04月 30日

唾抜きバネ

金管楽器で唾抜きという部品があります。ウォーターキーとも呼びます。

通常はバネの力で穴を塞いでいます。ちなみにこのバネは唾抜きバネ、またはウォーターキースプリングと呼びます。

ある時、自分のトランペットを見てこのバネの形状が気になり、色々調べ出しました。

この時に私が着目したのは巻き数です。

唾抜きバネ_a0335229_18072877.jpg

写真左は国産製のトランペットで、右が米国製です。

国産が1回巻、アメリカ製は2回巻です。
バネの太さはほぼ同じです。

では、私が持っている国産の楽器にも2回巻のバネを付けてみよう、と思っても寸法上付けることが出来ません。

では、バネの太さを細くしたら2回巻のバネが出来るのではないか?

そして、作ってみたものが写真中央のバネです。


ちなみに、わたしは針金細工が趣味ですから、バネ作りも難なくやり遂げます。
熱処理の知識や加工法についても、長年の研究(趣味?)でクオリティを出しています。
このバネは想像以上に要素が多く、研究は楽しいものになりました。

結果は……この状態ではボツ判定でした。

これをきっかけに、このバネの研究が始まったです。あれから何年(十ウン年?)が経つのでしょう。

現在では、市販されている唾抜きバネの種類も増えています。メッキによっても違うそうです。

ご興味のある方はお試しされては如何でしょうか?

ちなみに石井管楽器では唾抜きバネのオーダーメイドをお受けしております。お気軽にご相談ください。

石井管楽器











by ishiikangakki | 2015-04-30 18:30 | 金管楽器


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